アリスは、嵐の中のような場所にいました。
それは音もなくただただ真っ黒な線がものすごい早さでアリスを取り囲んでいるようでした。
目を開けてはいるのですが渦巻く線が邪魔をして良く見えず
そのうち瞼が重くなり、どうしても長いあいだ目を開けていることができませんでした。
そして次第に体も重くなり、眠りに落ちるあの何とも言えない奈落に引きずり込まれるような
嫌な感覚に襲われるのです。
浮いているのか、落ちているのかわからないあの感覚。
「あぁ、嫌だ、いやだ、イヤだ...」
アリスは抵抗するかのようにそうつぶやいてみるのですが、
どうすることもできず、この黒い嵐の中に身を委ねるしかありませんでした...
湧きあがるもの(2012)
紙/ボールペン
